染色補正 彩徳のこだわり

大切なものいつまでも美しく

医者としての染色補正(しみぬき)。
染色補正の仕事は、生地・織・染色方法など広範囲の 知識と理解を必要として います。
そうでなければ的確な判断を下すことは出来ません。
どうしたら綺麗に直せるのか、患者のために一番良い方法は何なのか、ただシミを 落せば良いのではありません。
何年か先、お客様の大切な御着物に変化が現れてはいけないのです。
名医とはそこまで考えて処置をするものと思っております。
"医者としてのこだわり" 私はこの『こだわり』を信念に仕事をしております。
ここでは、当店の「こだわり」についてお話させて頂きます。

『こだわり』を何遍となえても、それは見えません。
1つのシミ、1枚の商品に、職人としてのプライドを賭けた仕事をすること。
工料が、高いか安いかは数年先に答えが出るはずです。

しみ抜き・地直し

 しみ抜きの良し悪しは、もちろん、落ちたか抜けたかですが、本当の良いしみ抜きとは数年先になっても直した部分が変化しないことです。それには、生地本来の特性を良く理解し『風合い』を損なわぬよう強い薬品の使用を避け、遠回りであっても時間と手間を掛け『生地にやさしく』をモットーに仕事をすること。このことが当店のこだわりと信用につながるものと考えております。また、地直しは、シミを抜いた後に地色を元通りにするために、色を注したり、ムラ、スレを直したりすることで、職人の技量がつぶさに出る作業で、非常に高度な技術を要します。当店では、黄変、焼け焦げ、黒抜きなどお直し致します。ただし、それらの仕事の場合は、生地が弱っている場合が多く、あくまでも生地との相談となる事だけは、お含みおき下されば幸いです。

しみ抜き・地直し

 生き洗いには、手洗いと機械洗いがあり、手洗いをしている店は東京でも数件しかないと思います。当店では手洗いを中心に生き洗いをしております。
手洗いとは、大きな容器の中に着物を1枚づつ入れ、着物と相談しながら、手で押し洗いをします。なにぶんにも人の手を使い洗うもので、溶剤が悪いものであれば人間の体が持ちません。人に良い溶剤を使うということは、着物にも良い事なのです。ただ、溶剤が高価な事からどうしても工料も高くなってしまいますが、ちまたで言われる仕立ての狂い、縮み、柄、色あせなど、手洗いにおいてはすべて問題ではありません。

しみ抜き・地直し

 太陽光、蛍光灯、ガス焼けなど長く置いておくだけでも色焼けは始まります。変化してしまった色を元のように直す事は非常に難しく、もう一度元の色を染めてみても直りません。それゆえ、色焼け直しほど職人の感性が問われる仕事はないと思っています。また、下準備にも手間が掛ります。この部分に手を抜かない事が綺麗に直るポイントです。
私はうまいとは申しませんが、大好きな仕事のひとつです。うまく直った時の感動!やりがいのある仕事です。色焼けでお困りの方、ぜひ一度当店にご相談ください。

しみ抜き・地直し

 よく「染替え物はうまく染まらない」という声が聞かれます。確かに難しく手間の掛る仕事です。うまく行って当たり前。新しく作り直したほうが、どれほど楽だろうかと思う事もしばしばあります。この商品はどうやって作られたのか、原点に立ち戻り処置する事で、高い確率でうまく染め上がるものです。目に見えない所、下洗い、色抜きなどの下準備にとことんこだわることがとても大事です。ただ、こだわればこだわるほど工料が高くなってしまうのが、染替え品ということもあり、どこまで御客様にご理解いただけるかが一番辛い所です。
でも、おまかせください。出来上がり品をお納めした時の御客様の喜ばれる顔は、皆さん御満足して頂けているようです。

しみ抜き・地直し

 寸法直し(仕立て直し)のポイントは、巾、丈を出したりする時の汚れ・ヘラ跡・筋消し・色焼け・柄たし・色違いなどを、いかにうまくお直しするかということです。 特に一度付いてしまった筋はなかなか消えません。丁寧に時間を掛け、少しでも見えなくなるように努力しています。

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